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【未来都市】兄に捧げる復讐劇

リン復讐鉄柱1
【未来都市】兄に捧げる復讐劇(1)
嫌な、夢を見た。

……あの日、私達兄妹は街の表通りを歩いていた。
突然、ドン、という爆音が頭上で響く。
空を見上げようとした瞬間、体が横へ吹き飛ばされる。そのまま、私は気を失った。

……気がついたとき、私は地面に転がっていた。辺りは、コゲ臭い匂いで充満し、埃がもうもうと立ち上っている。そして、すぐ目の前に。兄が、いた。
「お兄ちゃん、お兄ちゃんっ!」
必死で叫ぶ。兄は、ビルから剥がれ落ちた巨大なコンクリートの塊に押しつぶされていた。
「ぐ……」
兄が、苦痛に呻く。私はどうにかして、兄を引きずり出そうとしたが、当時の私は、ただの非力な少女であり、どうすることもできなかった。
塊は凄まじい重量で、兄を挟み、離さない。押しても、引いても、ビクともしない。兄の顔から、だんだんと血の気が引いていくのがわかる。
「し、死にたくない……助けて……」
「お兄ちゃん……ごめんね、ごめんね……」
何も出来ないまま。兄は、そのまま息を引き取った。




リン復讐鉄柱2
【未来都市】兄に捧げる復讐劇(2)
私の目の前にいる、この男。こいつが、あの日のテロに携わったかどうかなんて関係ない。テロリストは、全て私の敵。あの日、私はそう決めたのだから。
「な、なんだテメエ……」
「委員会からの執行令状です。国家反逆罪の容疑であなたを"処理"します」
ただ、決められた台詞を吐く。男の顔色が変わった。私が、<執行者>だと分かったのだろう。背を向けて、逃げようとするが、遅い。遅すぎる。
一瞬で距離を詰め、そのまま後ろから抱きかかえ、男を押し留める。
「<執行者>からは逃げられないよ?おじさん」
余裕たっぷりに、男へ言葉を投げかける。
「ク、クソッ、離せッ!」
男が叫ぶ。その野太い声が、私の神経を逆なでる。うるさいから、黙らせてやる。
「飛んでけっ!」
そのまま真横へ、建物の壁に向かって男の体を投げ飛ばす。
まるで蹴り飛ばしたサッカーボールのように。
男の体は勢いよく宙を舞い、建物の壁に激突し、地面へ落下した。
男は背中を派手に打ち、嗚咽を漏らしながら身をよじらせていた。
のたうつ姿が、まるで踏み潰された虫みたいだ、と思った。




リン復讐鉄柱3
【未来都市】兄に捧げる復讐劇(3)
私は、傍に置いてあった、工事用の資材を持ち上げた。1トンは下らないかと思われる鉄骨も、今の私の腕力なら、こうやって軽々と抱え上げる事ができる。
「あの日、この力が私にあったら……」
思わず、口から言葉がこぼれる。もう、過ぎた事だ。もう、兄はいない。だから、私は復讐する。それが意味の無い事であっても、そんなことはどうでもいい。ただ、兄と同じ苦しみを、この男に味あわせてやる……。
「おじさん、これあげるね」
私は、仰向けに倒れている男の胸の上に、ゆっくりと、その鉄骨を降ろし始めた。
「ぐ、ぐわああああっ!」
胸を圧迫され、男が叫ぶ。




リン復讐鉄柱4
【未来都市】兄に捧げる復讐劇(4)
「痛い?苦しい?」
そのまま、少しずつ、両腕の力を抜いていく。だんだんと、男の胸部に、鉄骨の本来の重量が掛かり始める。私が完全に両腕を離せば、鉄骨が男を押し潰すだろう。
「や、やめ、ろ……」
息が苦しいのか、途切れ途切れに男が言葉を搾り出す。
「あはは、どこまで生きてられるかな?おじさん。もし、私が両腕を離しても生きていられたら……」
私の復讐は。
「そのときは、私がおじさんを潰してあげるから、安心してね」
たぶん、永久に終わらない。

鉄骨から手を離す。男の体が、目の前で無残に潰れていく。
口から血を吐き出し、痙攣して動かなくなる。
私はいつまでも、その光景を眺めていた。
プロフィール

ネムレス

Author:ネムレス
ネムレスです。
怪力少女が大好きですっ。

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