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【姉妹狂気】原初の少女

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【姉妹狂気】原初の少女(1)
それは、赤き瞳と異能の力を手に入れた最初の一人。
原初の少女の物語……。

時は20世紀初頭。
北欧の名家にて母親の命と引き換えに、この世界に生れ落ちた無垢なる命。
遺伝子の異常か、神の気紛れか。
真紅の瞳を宿した少女は、生まれながら人智を超えた力が与えられていた。
筋力は大人達を遥かに凌駕し、骨は鋼よりも硬く。
その心は、獣よりも獰猛で。
魂の底から湧き上る破壊衝動のままに行動する。
家具を破壊し、動物達を虐殺。
学校では同級生の腕の骨を折り、上級生の顔面を砕いた。
少女に気に入られなかった使用人達は、五体満足で屋敷を出る事は適わない。

「パパ、遊ぼ?」
少女は決して父親だけは傷つけない。
だが、その歪んだ愛は、父親に届かず。
少女の父親が自らの娘に抱く感情には、愛など一片すらも無く。
父親の心に在るのは。
圧倒的な力に対する、純粋な畏怖だけだった。




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【姉妹狂気】原初の少女(2)
ある日、屋敷に侵入した泥棒が使用人によって捕獲された。
うなだれて床に座り込む泥棒の元に、少女が近づく。
「悪い人は、クマさんがやっつけちゃうよ?」
少女は、手にした熊のぬいぐるみを握り締める。
「がおー♪」
可愛らしい声を発しながら、少女が腕を振るう。
ぬいぐるみを握り締めた少女の拳が、泥棒の顔面を抉る。
空いている手で泥棒の後頭部を押さえつけ、何度も拳を振るう。
「がおー♪がおー♪」
父親や周りの使用人達が少女を押さえようとするが、少女の腕力に抗えない。
何度も、何度も。
鮮血が飛び散り、少女の頬を濡らす。
泥棒の頭部は原型を留めないほど陥没し、手足は硬直している。
既に命の火が消えたその肉体を、少女は更に破壊する。嬲る。弄ぶ。
少女にとって、それは飽きた人形を壊すのと同じ行為。
やがて飽きたのか、少女が手を離す。
ごとり。
床に、数分前まで人間だった肉の塊が転がった。




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【姉妹狂気】原初の少女(3)
少女の破壊衝動は加速する。
その日、父親が部屋に入ると。
目の前には、血に染まった壁と使用人達の死体。
少女が父親に話しかける。
「壊れちゃった。新しいのちょうだい、パパ♪」
狂気に染まった瞳を輝かせ。
歪んだ口元には、悪魔の微笑みを携えて。
少女は新しい玩具を、父親にねだる。

そして父親は、決断する……。




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【姉妹狂気】原初の少女(4)
その日は少女の誕生日。
食堂にて行われる晩餐会。
少女がジュースを口にしてしばらく経った後、異変は起こる。
「え?」
少女の手から、グラスが滑り落ちる。
口から激しく血を吐き、少女は床へと転がった。
全身に走る激痛と虚脱感。立てない。力が入らない。
グラスに塗られていたのは、無味無臭、通称「貴族殺し」の致死毒。
「パパ……」
吐血し涙を流しながら、少女は父親を見上げる。
父親は、何も言葉をかけず。
ただ、静かな目で娘の死を見届けている。
「どうして……?」
全身を蝕む筋弛緩効果に耐えながら、声を絞り出す。
這いずりながら、父親の足元へと辿りつく。
人体を軽々と握り潰す少女の握力は、見る影もなく。
父親の足を掴むことすら適わずに。
少女の瞳から、光が消え去る。

事前に用意されていた棺へ、口元の血すら拭われないままの少女が寝かされる。
一束の花すらも添えられず、お気に入りの熊のぬいぐるみだけを傍らに。
父親の見送りすら無く、鎖で縛られた棺は湖の底へと沈んでいく。
少女は、ただの一度も父親の愛を受けることなく、暗い水の底へと眠りに着く……。




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【姉妹狂気】原初の少女(5)
半年後。
「今日からよろしく、お父様」
養子として引き取った少女が挨拶する。
実の娘とよく似た容姿。
違うのは、深く青いその瞳と。
犬や猫を可愛がり、草花を愛でる優しき心。
父親はこの新しき少女を溺愛し、ありったけの愛情を注ぐ。
実の娘には向けることの無かった、その感情を。




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【姉妹狂気】原初の少女(6)
更に半年後のある日。
少女が、父親を連れて廊下を駆けていく。
繋がれた小さな手が、父親を誘う。
父親はわずかに躊躇う。
何故なら、少女が向かうその場所は。
もう二度と踏み入れることの無いと思っていた部屋。
一年前から未使用の、食堂。

薄暗いその部屋で、手を繋いだまま少女が振り向く。

そのとき。
机の上に、ある筈の無いモノを、見つけた。




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【姉妹狂気】原初の少女(7)
机の上に置かれた、薄汚れた熊のぬいぐるみ。
そして振り向いた少女の瞳は。
血のように。
赤く。
紅く。
「こんばんわ、パパ」
その声は、1年前と変わらずに……。




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【姉妹狂気】原初の少女(8)
父親が悲鳴を上げるより早く。
少女は、父親の手を肉片へと変える。
これから始まるは、父親の血と肉と恐怖で彩られた晩餐会。
少女の望みは。
腕の骨を砕き。
脚の腱を引き千切り。
鼻を潰し、耳を削ぎ落とし。
その他ヒトが体験可能な全ての苦痛を、親愛なる父親に。
狂気で濁った少女の魂は、その光景を想像し、歓喜に震える。

父親の哀願も、慟哭も、後悔も、命乞いすら。
きっと少女には。
もう、届かない……。


数日後、屋敷から多数の惨殺死体が発見された。
特筆すべきは使用人達とは違い原型を留めないほどに粉砕された、一体の屍。
その惨状は人々の間に様々な噂を作り出し、やがて記憶から消えていく。

唯一の生存者である養子の少女。
彼女は警察に保護された後に突如行方不明となり、真相は闇に閉ざされた……。
プロフィール

ネムレス

Author:ネムレス
ネムレスです。
怪力少女が大好きですっ。

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